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子馬の歯のケア

馬の病気~子馬の歯のケア

子馬の歯のケア

  幼い馬には、ヒトと同じように乳歯が生えています。これは勿論、時期がくれば永久歯と生えかわります。しかし、だか らといって何もせずに放っておいてもよいものでしょうか?今回は、子馬のときの歯の管理の重要性について考えてみ ましょう。

馬の歯は何本?

生まれて数日の子馬には、歯はありません。1週間ほどで、上顎に2本、下顎に2本の切歯(前歯)が生えてきます。 これらは歯列の中心に、上下・左右対称に生えます。数週間齢ではその隣りの切歯が、6ヶ月齢くらいまでにはさらに その隣りの切歯が生えてきます。
  また、数週間齢くらいから、前臼歯(手前にある奥歯)も生えはじめます。前臼歯は上顎、下顎の左右に各3本ずつ、 計12本になります。 つまり、乳歯が全て生え揃うと、24本です。これらは、全て永久歯に生えかわります。永久歯は、 さらに12本の後臼歯が加わって36本(牡馬では犬歯があるので40本)です。

いつ生えかわるの?

  はじめに抜け落ちるのは中心に生えていた切歯です。大体2歳半くらいで抜け、その隣りの切歯は3歳半、さらにそ の隣りは4歳半くらいで抜け落ちます。前臼歯も同じくらいに抜けます(前から順に2歳半、3歳半、4歳半で抜ける)。

生えかわり

  乳歯は、永久歯が生えてこようとする力によって押し上げられ、脱落するような構造になっています。これがうまくい けば、何の問題もおこりません。しかし、時には乳歯が折れて歯茎の中に残ったり、ぐらぐらするだけでいつまでも抜け なかったりすることがあります。そうなると、永久歯がうまく外に出てくることができません。 下顎の骨にコブ状のものができたりします。子馬にとっても、非常に不快です。そのため馬がいらいらしたり、口から悪 臭がしたり、ハミ受けが悪くなったり、といった症状がみられます。これは、 残ってしまった乳歯を抜くことによって簡 単に治せます。
  その他、トレーニング時に問題をおこすものとしては狼歯があります。これはいわゆる「ヤセ歯」で、上顎の一番手 前の臼歯の隣り(前側)に生える小さな歯です。 普通、12~18ヶ月齢で生えてきます。狼歯は、生える位置や向きにもよりますが、ハミ受けを悪くすることもあります (狼歯がハミにあたると痛いため)。ですから、 トレーニングを始める年齢になったら、運動の問題をなくすために 狼歯を抜く ことをおすすめします。

永久歯について

  馬の約25%が、一生のうちのいずれかの時期に、歯の異常をもつと推定されています。
馬の永久歯は伸び続けるので、噛み合わせの具合などによっては歯が部分的にとがったり、とびでたりします。こ れは鑢で削ることで修正できます(馬の永久歯の表面にでている部分には神経や血管がないので、削られても馬は痛 みを感じないそうです)。 今回のテーマは子馬のときの乳歯の管理なので、永久歯についての詳しい話は、また次の機会に譲ることにしまし ょう。

では、いつ検査が必要なのか?

馬の約25%が、一生のうちのいずれかの時期に、歯の異常をもつと推定されています。
大体6ヶ月ごとの定期検診がよいとされています。歯の異常でも他の病気と同じように、早期発見・早期治療が大切 です。  人間でも、子供のときの歯の管理が大切だと、よく言われますよね。

 NOMADOCには歯の治療を専門分野としている獣医師がおりますので、ハミ受けの悪さや飼料の食べこぼ しなどがみられる馬をお持ちの方は、ぜひ1度、ご連絡ください。

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