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骨の疾患 予防とケア

骨の疾患 予防とケア

骨の疾患 予防とケア

このページでは、馬の健康のために必要な微量元素とD.O.D.( Developmental Orthopaedic Disease「発育期骨疾患群」 )について説明しています。

●微量元素とは......

微量元素は 微量で動物に影響をもたらしますが、それぞれの成分が それぞれ違った3つの域、 欠乏域、 安全域(必 要域)、毒性域(過剰域)、を持ちます。
また、「欠乏への段階域」においても成分によって幾つかの段階差があり、これによって疾患や病気などの進行状態も 変ってきます。 最終的には「安全域」から「欠乏」と「毒性」の2つの進行方向に進めば進む程、それは 疾患や病気に 向かう事になり、最終的には死につながるということになります。
高度の欠乏や高度の毒性によって発生する問題点というものは成分によって具体的に異なりますが、微量でありなが ら上図のような段階に別けることが出来るので、それ程 その微量の量というものが重要になってくる訳です。尚、これ らの「欠乏」と「毒性」から発生する問題点や その段階域は 成分の種類だけでなく その対象動物の種類によっても異 なります。

【亜鉛】 【銅】

については別ページにて詳細に説明しております。

●競走馬に必要な微量元素

馬にとって重要とされる微量元素として 特に以下の6つの成分が挙げられます。

①銅 / COPPER ②亜鉛 / ZINK ③ 鉄 / IRON
④ ヨ-素 / IODINE ⑤ セレン / SELENIUM ⑥ マンガン / MANGANESE

これらの6つの微量元素は 前項の「安全域」の範囲の中で維持されなければなりませんが、これらの成分は それぞれ の成分の性質上、摂取バランスを考えなければなりません。この時、下記の様な組み合せの場合、相互作用が働く 為、体内で これら3つの内のどれかの成分を過剰に摂取することによって 他の2つの成分が体内で消失したり 吸収 出来なかったりします。

〔 組み合せ 1〕 銅 : モリブデン : 硫黄銅
〔 組み合せ 2〕 銅 : 亜鉛 : 鉄

例えば 体内の亜鉛が必要以上に過多になると 体内の銅が消失されたり、 馬がモリブデンの含有量が必要以上に多 い土地で放牧されていたりすると銅が吸収されなかったりします。 この様に成分の組み合わせによる相互作用によって それぞれの成分の体内維持がコントロールされる為、成分の過 不足というものは ただ単に その成分を与えたり、与えないようにするだけでは簡単にコントールが出来ないと言う事で あり、もっと簡単に言えば、「○△」が不足しているからと言って それだけを与えても効果が現れるとは言えないと言う事です。 非常に微量にもかかわらず これだけの話になる訳ですから、この微量元素というものがいかにセンシティブ、かつ、重 要なものであるか お分かりかと思います。

●D.O.D.との関連性

D.O.D.( Developmental Orthopaedic Disease ・「発育期骨疾患群」 )は、次の3つが その発症の要因と考えられ ます。

(1) 遺伝的要因
(2) 栄養的要因
(3) 肉体的要因

これらの要因のうち、(2)の栄養的要因では 微量元素の過不足が非常に発症度合に関連しています。数種の微量元 素のうち、銅 と 亜鉛は、非常に大きな関わりを持ちます。銅は銅と骨の関係 の中で、亜鉛は亜鉛の量と馬に対する 亜鉛の必要性 の中で それぞれ説明しておりますのでご覧になって下さい。 特に銅は、我々が知らない部分まで奥深く関係しており、薬物治療以外においては 銅を 対D.O.D.の一種の特効薬と して使う獣医さん方が欧州には沢山おり、これは 銅の重要さ がまだそれ程浸透されていない日本では非常に重要な 情報なのではないでしょうか。

●D.O.D.は なぜ起こるか.........

D.O.D.が起こる原因は 大きく別けて次の3つであると言われています。

◆遺伝的要因 ほぼ防ぐ事が出来ないと言えます。
◆栄養的要因 ① 栄養価の高いもの、或いは濃縮飼料の摂取し過ぎ。
  ② 一度に多量の成分を含む餌を与え過ぎ。
  ③ 間違った割合の成分を含む餌の継続摂取。
  ④ 銅不足
  ⑤ モリブデンの過剰摂取
◆肉体的(物理的)要因 ①硬い土地(場所)での生活や、冬場に放牧地が凍結して硬くなっているに
も関わらず、激しく走り回ったり、脚元に過度の負担をかけてしまう場合。
  ②脚部より上の体重が重すぎて脚部で耐え切れない程太っている場合。

以上が D.O.D. の起こる理由ですが、生まれてから自分の脚で立ち上がった瞬間から2歳位までの期間に 起こりうる ものと 生まれた時に既に その様な症状を持っている場合があります。 どちらの場合でも 遺伝的理由でない限り、繁殖牝馬をケアすることによって生まれてくる当歳馬のD.O.D.を未然に防ぐ 事が可能 であると言うことが出来ます。

●D.O.D.に関する統計

1991年にアイルランドで 計17の競走馬生産牧場の当歳馬の合計248頭に対し、何らかの骨疾患群があるか調査 したところ下記の様な表の結果が出ており、また 同じような調査を再び以後2年続けたところ ほぼ同じ数値が出まし た。

  調査した頭数 症例判明頭数
Colts  (牡・当歳) 125 87 69.6
Fillies (牝・当歳) 123 81 65.8
T o t a l 248 168 67.7

ご覧のように 248頭の当歳のうち、67.7%という高確率の馬に何らかの骨疾患群があるという事がお分かりいただけると思います。 この168頭には 当然 生まれた時から疾患を持つ馬も含みますが、最終的に遺伝的要因はでない限り80%以上が人工的治療で良化、或いは完治されると言えます。 ここでクローズアップされる事は 248頭から問題を持った168頭を引いた残りの80頭が競走馬としてその後 168頭 の疾患を持つ馬で完治した馬と比べて高値で売れたか、或いは良い成績を収めたかというと決してそうとは限りらない と言う事なのです。
言い換えれば、これらの248頭が古馬になった時の獲得賞金の全248頭中のトップ10を見た時、その上位10頭す べてが 若駒の時に問題のあったこれら168頭に入っていたと言う確率も非常に高いのです。ですから、大事なことは.......

※ 繁殖牝馬を より一層ケアする事で 骨疾患を持って生まれてくる数を少しでも減らす事。
※ 生まれてスグから当歳のケアを始める事。

.......なのです。

これらのケアによって上記例でいう168頭の数を減らす事から始まり、疾患が発生しても競走馬として能力を発揮出来 る様に治癒率をアップさせ D.O.D.による競走能力の喪失率を大幅に下げる方向に向わせる事が必要なのです。

●繁殖牝馬のケアによるD.O.D.の予防

繁殖牝馬のケアによって D.O.D.を少しでも未然に防ぐには 当HPで詳しく説明している「銅」( 母体と仔馬の両方に効 果 )と 正常な繁殖機能を維持させる 「亜鉛」( 母体に効果 )を繁殖牝馬に微量元素としての安全域の範囲内で必要 量十分に摂取させることが最も良い方法であると考えます。

●当歳馬のケアによるD.O.D.の予防

D.O.D.が起こる3つの大きな要因を D.O.D.は なぜ起こるかで述べましたが、その内、栄養的要因 と 肉体的(物理 的)要因 は正しいケア方法で ある程度改善出来ます。

◆栄養的要因に対して 離乳までは母馬をケアすることが仔馬のケアになりますので離乳後に正し
い成分が組み合わさった飼料を与え、特にプロテインの調整と 最低必要
量の銅(150mg)の補充を行います。
◆肉体的要因に対して 当歳馬の馬体重をコントロールします。夏場になるとセリ前に高蛋白の餌
を与え始める為、或いは青草をどんどん食べるようになる為、さらに急激
に体重が増加します。体重急増時期に 脚への負担が強すぎて何らかの
D.O.D.の症状を発症してしまう可能性が最も高いと考えられます。
  ①当歳馬の体重を 最低でも1ヶ月に1回(理想は2週間に2回)計り、理想
の体重になる様、調整する。
  ②必要以上の高蛋白成分の餌を与えない。
  ③糞(ボロ)の管理をする。 特に便秘にならない様にする(便秘になると
体重増)。

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